村上様
はじめまして。
私は神奈川県に住む者です。
今回、タイア交換の選択にあたり、貴社HPの情報を大変参考にさせていただきました。
貴社からの購入でないので恐縮ですが、お礼の気持ちに替えて投稿させていただきます。
「ツインリンクもてぎ」での走行会のあと、雨の日のブレーキング時のABS介入頻度がが余りにも多く
なったので、6年半で3足目のシューズを入れることにしました。
1足目と2足目は全く同じタイアでした(新車外しをオークションで入手)。標準装備
のSX-GTは、国道246や国道16号あるいは東名高速の轍でハンドルを取られたり、ウェット性能の若
干の低さ(もてぎの走行会のハイドロプレーニング体験で、講師が驚くほど止まらず
ヒヤッとした)という不満はあったものの、全般的には軽快なハンドリングと、それ
なりの乗り心地は及第点で、しっかりした作りにも安心感を持ちました。
そのため、
2足目も新車外しが安く出たときに購入したのです。
今回は、新車外しを見つけるのが困難だったので、新品購入することにしました。一
度入れたタイアは数年間使うことにもなるので、少し贅沢しても「いいもの」を入れ
たいと考えました。
具体的には、高い走行性能に加え「相応の」快適性をも併せ持つ
タイアが希望でした。
このサイズでロードインデックスが「91」になっているタイアの選択肢は案外ありま
せん。必然的に外国メーカーを中心に、いくつかの候補(Pilot Sport、プレセダ、P
Zero Rosso、P7)を頭に描きつつ情報収集しました。
組み込みは別途手配せねばならず、現物も確認できないのは不安があるものの、ネッ
トを調べてみると通販では結構安い値段が出ています。それをチェックしつつ現物を
見ようと量販店を回りましたが、結構なお値段です(何でもよければ安いのもありま
すが)。
どうしようかと思いつつ、最後に以前冬タイアでお世話になったタイヤ屋さ
んに寄り、値段を聞きつつ相談したところ、以下のアドバイスをいただきました。
・快適性重視ならP7がお薦め。相対的にはPrimacyはやや固めである。
・町乗りもしつつたまに走行会というならプレセダ。値頃感も高いし数も出ている。
・Pilot Sportは16インチだとPS1になるが、ああいうパターンだとノイズが大きい。
・P Zero Rossoは走行性能も高いがPilot Sportよりはスパルタンではなく乗り心地
も良い。
・製造品質でいえばMichelinが一番安定している。Pirelliはバラつきがあって組み
込むときにバランスを取りにくいものもある。Rossoあたりだとそういうのは余りな
いが、安い価格帯のものではバラツキが多いような気がする。
・国産ではBSが製造品質は一番高く、印象としては他とは明らかに差がある。自分用
ならMichelinかBSを選ぶだろう。RE050は走行性能・快適性のバランスがいいタイア
だが、唯一の欠点はやや重いこと(バネ下も重くなる)。
・設計が新しいに越したことはない。新しいものほど総じて性能のバランスが高いと
ころで調和している。
というわけで、
快適性重視ならP7、走行性能もというならプレセダ、走行性能をより重視ならRosso
という結論に。
値段も考えるとプレセダかなということになるのですが、どうしてもサイドウォール
の子供っぽいデザインが好きになれず(PS2やPE2と比べてしまう)、しばし時間をお
くことにしました。
その間、貴社サイト(特に試乗会の記事)などの情報も見ながら悩んだ末、新車装着
の多さが性能バランスの良さを象徴していると思われること、フラッグシップの商品
なら品質も高いであろうということから、ようやくRossoに決定しました。
前置きが大変長くなりましたが、いざ走ってみてのインプレです。2,500キロほど走
行しました。
まず、静粛性の高いのに関心しました。いわゆるスポーツタイアでは優先度が低くな
りがちと思っていましたが、いわゆる高級車の静粛性重視のタイアほどではないもの
の、セダンとしては十分満足できる水準です。SX-GTでも気になるとは感じませんで
したが、路面が悪ければどうしようもないところはあるものの、明らかにそれよりも
上のレベルで不快な騒音は少ないように感じます。
乗り心地はしっかり芯のとおった感じですが不快な固さではありません。高いグリッ
プによる安定性の高さと相俟って、より高い次元で性能と両立していると感じます。
性能とのバランスという言い訳なしに「快適」といえると思います。継ぎ目段差の多
さでは定評のある西湘バイパスや首都高速でも不快感はありません。
SX-GTはのスポーツサスの特性と相俟って、「ひらひら」として素直でさらーっとし
たステアリングフィールで、それはそれで気持ちよく走れたのですが、限界に達する
と突然ブレークする初期型156Rhdの性格では、速度が上がると継ぎ目で跳ねる感じが
あるなど、一定の領域に達するとちょっと心許ないところがありました。
Rossoでは
路面に吸い付くようなグリップで舵は気持ち重たくなりましたが、素人の低い限界の
最後のところまで不安感なく操縦でき、しかもコーナーを通過できる速度は明らかに
上昇しました。全体的な性能バランスの高さと商品の「高級感」を感じることができ
ます。他方で、路面のアンジュレーションについては、SX-GTは「ひらひら」と受け
流していたのとは違い、グリップの高さのためか比較的伝わってくる感じです。この
点は個人の主観もあるので気になる方には気になってしまうかも知れません(156の
ボディ剛性も寄与していると思われますが)。
ウェット性能についても不満はありません。まだ新しいうちなので当然ですが、相当
降雨量が多いときでも不安は感じません。SX-GTが新品のときとの対比でもブレーキ
ング時のABS介入も少ないように感じます。
全般的にいえば、グリップ性能だけが突出していることのない、走行性能と実用性の
バランスが非常に高いところで取れているタイアという印象で、非常に満足していま
す。
グリップだけではない大人のスポーツタイアという印象です。スポーツカーだけ
でなく、走行性能を重視する「高級」セダンにもふさわしいタイアだと思います。
まさに貴社HPの記事やタイア屋さんのアドバイスどおりでした。お店の中心ブランド
であっても品質・性能から薦められる商品を絞って薦めてくれ、他のメーカーについ
ても率直に意見をいってくれました。それが最大の決断要因になったのですが、やは
り餅は餅屋、信頼できるプロの意見を聞くことの重要性を実感しました。
価格に関してvalue for moneyという点では文句なしだと思います。
昔よりタイアは明らかに安くなった気がします。
買う側にとっては悪いことではないのでしょうが、そこに係る人たちが昔と同じよう
にいることを考えると、「価格破壊」を賛美し安くなりすぎるのもどうかと思ってし
まいます。
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