インプレッション:偉大なる普通さ
家内のための足として中古車で購入したサーブ9-3ですが、装着されていたタイヤは、一見して6分山以上あるように見えました。ところがリフトアップしてみると、内側は殆どツルツル状態。サイドウォールはヒビだらけで、とても使えそうにありません。 そこで、
Michelin MXV8、
REGNO GR8000、
Pirelli P6、
YOKOHAMA db ES501
を候補として、村上さんにご相談したところ、総合力で勝るMXV8を薦めていただきました。装着して半年、約3,000kmを走行しての素人なりのインプレッションは、以下のとおりです。
ハンドリング:
この扁平率、このトレッド幅ということを考慮すれば、大変しっかりしたタイヤであると言えます。結構な速度で高速コーナーに入っても、腰も砕けずに良く粘ります。
限界に近づくと少しずつスキール音が発生しますが、情報を伝えてくれているなとは感じても、「怖い」といった感覚にはなりません。
ロードノイズ:
旧サーブ9-3そのものが、初代ベクトラをベースとする古い設計なので、いくら大幅なリファインが施されたとはいえ、その剛性感や遮音性能には期待できません。また、車内空間が大きいせいもあって、荒れた路面でのドラミング音が大きくなるので、結構気になります(あ、これはクルマのインプレッションですね・・・)。MXV8は、国産の某サイレント系タイヤのような、まるで走っていないみたいな静けさは目指していないでしょうから、それなりにパターンノイズは発生します。しかしながら、音質そのものが耳障りではなく、高速で走行するときには音が後ろに飛んでいくような感じになるので、家族連れで京都−福岡(片道700km)を往復しても、全然といっても良いくらい気になりませんでした。
乗り心地:
良いです。結構ハイペースで走れますが、トレッド面もサイドウォールも硬いという印象はありません。タイヤ全体で剛性感を出しているのでしょうか?目的の違うスポーツ系タイヤと比較するのはおかしいのですが、自分のアルファ156に履いているピレリ
P-ZERO NEROは、剛性を重視したタイヤですので、非常に硬いという印象のタイヤです。決してクルマにやさしくありません・・・。
もちろん柔らかいだけのタイヤではありません。ハンドリングの項でも述べましたが、そこそこスポーティさをも兼ね備えていると思います。
排水性:
最近のタイヤは、どれも排水性を考慮したトレッドパターンになっています。MXV8も同様で、よほど無茶なことをすれば分かりませんが、高速道路の結構な水溜りの中でも制御が効かなくなる様なことはありませんでした。
ウェットグリップ:
雨の降っている日は無理をしないのが一番です。でも、ドライ路面とウェット路面での特性がガラッと変わってしまうタイヤでは困ります。MXV8はその差がとても少ないように思います。したがって、安心感の高いタイヤに分類できるでしょう。
突出した特性というのは見当たらないが、総合力の高い好バランスのタイヤである、というのが一番の印象です。ハイパフォーマンスなタイヤに疲れた、サイレント性能命のタイヤで怖い思いをした、という人に積極的にお奨めしたいですね。
真円度とか燃費の向上とかいった点については、残念ながら良く分かりません。でも評判どおりの良いタイヤである、と思います。
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