某一流タイヤメーカー社員様の行動と言動
笑える話アレコレ
タイヤがどういう流通ルートを経て売られているかを説明しましょう。タイヤメーカーはタイヤを生産します、それを各地方にある販売会社に売り、さらにウチのようなタイヤ屋に売り、消費者に売る−端的にはこういう流れです。メーカーはその名のとおり「作る」会社ですが、各地方にある販売会社(例えば000タイヤXXX販売などの名称)もほとんどがメーカーの資本で子会社状態です。これらを理解した上で以下を読んでください。何しろギョーカイのネタですから。文中の「彼」は複数の人物です。
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彼は某一流タイヤメーカーの社員。40才台。出向という形で00タイヤ九州販売にやって来ました。営業部長だか課長だかの肩書です。彼が00タイヤ九州販売に出向して来たのは二度目。一度目は20才台の時です。その時の言動や行動もヒンシュクだったらしいです。しかし同じ会社の誰一人として彼を諫めませんでした。だって彼が次に戻る時は自分達の上の地位に付くわけですから。
彼は初対面のボクにイキナリ聞きました「村上タイヤさんの従業員は何人?定休日はいつ?営業時間は?どういうタイヤが売れてる?」そこそこ回答すると矢継ぎ早に次の質問、警察の取り調べじゃないツーの。「店舗はここだけ?郊外(ウチの会社は街の真ん中)に出店の予定は?」テキトーに答え肯定も否定もしないと「そういう消極的な態度じゃダメですよ!今後のタイヤショップ経営は多店舗を基本にして、、、」とエンエン熱く語る語る。オメーに将来の相談なんかしてねーゾ。これってサラリーマンの彼に「年収は?転職の予定は?メーカー戻っても役員になれねーなら脱サラしたら?」て聞くぐらい(聞きゃしないケド)無礼な話。
んで彼の話の結論は「郊外に2号店、3号店を次々と出店しましょう」だって。かれの話に乗ったとある地方のタイヤ屋さん(Aさんと呼びましょう)は彼の指導で多店舗化して大成功したらしい。ナーんだ彼は自分仕事の自慢話したかったのかとその場は聞き流してしてました。
この話にはオチがあります。BさんはAさんと同じ地方で商売されている別のタイヤ屋さんです。あるタイヤメーカーの会議でBさんと話をする機会がありました。Aさんのことを聞いたら「最近は商売がうまく行ってない」とのこと。郊外に出店したすぐ近くにはタイヤメーカーの直営店も次々にオープン。出店を勧めた彼の会社の直営店も1キロも離れてない近くに開店したらしい。「Aさんも変なヤツの口車に乗らなきゃよかったのに。元々は堅実な商売してたのになあ」と同情してました。
そういう評判を知らない彼は全国どこでもこの自慢話をして回っているらしいです。彼に言いたい、ウサン臭い電話勧誘の「資産を確実に増やせる投資方法があります」じゃないが「儲かると思うなら会社辞めてテメーが自分でヤレよ!」
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彼は一流大学を卒業して某一流タイヤメーカーに就職しました。入社して間もなくある都市の直営のタイヤショップ(タ0ヤ館だかタ0ヤタ0ンだか)に赴任させられました。つまりタイヤを消費者に売る経験しろということです。
彼はそこでガンバリました。一年足らずでタイヤについての知識も経験も身につけました。コンスタントに彼一人で数百万の売上を上げていたそうです。
その後彼はその地方の販売会社勤務になりました。つまりタイヤ屋さんにタイヤを売る仕事です。そこでの成績を上げるべくタイヤ屋さんやガソリンスタンドあるいは自動車会社を回るも思うように売れません。彼は行く先々で言ったそうです「自分のような若輩でも一人で月数百万売ってました。オタクは長く商売してるんですからもっと売れて当たり前でしょう。そしてもっとウチのタイヤ買ってくださいよ」。こう嘆願しても空回りするばかり。
彼は二つの重大なことに気が付いてません。第一に彼が月に数百万売ったのは彼の実力だけではないんです。彼がいたその直営店は実質タイヤメーカーの経営ですから資金力があります。ラジオのCMやチラシをバンバン利用します。第二には彼がいた直営店があるからそれ以外ではタイヤが売れない。そう思っている人が数多くいることです。
「若いうちに小売りの現場を経験させて、その後の仕事に役立てる」というハズが、小売りの経験が妙な自信だけ身につけ、その後の仕事の妨げになったという例でした。
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