新車装着タイヤについて
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新車に付いてくるタイヤって?
皆さんが新車を買ったら何かしらタイヤが付いてます。「このクルマにはタイヤは付いていない。お客さんが持ち込むか、オプション扱いでお客さんがタイヤを選ぶ」なんて聞いたことありません(あったらオモシロそうですが)。「新車にタイヤが付いてて当たり前だろうが」とお思いでしょう。その当たり前に付いてる新車のタイヤのお話をします。
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新車に装着されているタイヤがそのクルマにとってベストである。
こうハッキリ断言なさる評論家先生あるいはジャーナリストの方もいます。ある意味では正解でしょう。特にドイツの主要自動車メーカーの場合に、その車種にふさわしいタイヤとして選ばれる為には
62もの条件をクリアして初めて装着されるそうです。「排水性」「耐久性」「パターンノイズ」などなどのクリアすべき項目が62もあること事体驚きです。こういう場合は、摩耗した時に他のタイヤへと交換するより同じタイヤを付けた方が良さそうです。つまり「新車装着タイヤ=ベストのタイヤ」説はある意味正しいです。
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しかし、そうとは言えない例も多々あります。例えば上記の「新車装着として、62項目」を教えてくれた、タイヤメーカーの匿名希望氏(^_^;)によると日本の某自動車メーカーの場合は18項目でOK。さらに納入金額しだいでは(笑)、数項目クリアすれば良い。つまり「ナンボや?」の世界。ご希望の金額を提示さえすれば「晴れて、新車装着タイヤとして採用。数万本の契約成立!さぁ飲みに行くぞ!」というのが実状だそうです。そう言えば、接待付けでタイヤ納入を決めてもらう故に「おれらの仕事は、男芸者」と某タイヤメーカーの方は自嘲気味に言ってました。
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というように「安い」という理由だけで新車装着タイヤはイッパイあるわけです。クルマのメーカーは新車用にタイヤをタイヤメーカーから「買う」訳ですから、安けりゃ安いほど助かります。買う数量も莫大ですから、安さは魅力でしょう。
国産車、特にFF2ボックス車では、グレードによって付いてくるタイヤは「天と地」程の差があります。安いグレードには145SR13ぐらいのタイヤが純正装着です。しかも一説によると製造原価数百円というウワサのタイヤもあります。ところで営業用に会社が買うクルマって、一番下のグレードと決まってます(?)よね。平日の雨の高速でひっくり返ってる営業車って見たことありません? 大体こういうタイヤ付けてます。エアバックとABSが標準装備でも、タイヤがタコだとこういう事故が起きるんです。
それでもアナタは「新車装着タイヤ=ベストのタイヤ」説を信じますか?
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「止まったり、曲がったりの性能」を犠牲にして「静粛性のみ」を徹底的に追求したタイヤが日本を代表する高級車に付いています。このクルマの静粛性は突出、普通クルマが走っている時、エンジン音やタイヤの騒音が室内に入って来るのに、このクルマは異常に(?)静か。さてタイヤが発する「騒音」についての説明しましょう。タイヤには溝があってそれぞれの模様があります。この模様をトレッドパターンと言います。このページも壁紙はトレッドパターンをイメージしてます。タイヤが回転しながらトレッド部が路面をたたき騒音を発生します。つまり究極の静かなタイヤとは溝のないタイヤです。しかし溝がなけりゃ排水性は犠牲になり雨の日に走れたもんじゃありません。
実は日本を代表する高級車に付いているタイヤはそれに近いタイヤです。タイヤの溝が極端に細くて浅いんです。静粛性を追求したあまり禁断の領域に踏み込んだと言っても過言ではありません。運転されてる中にはこういうタイヤの性能に疑問や不満を持ってきます。そりゃそうでしょう雨が降ったからってF1のようにピットストップしてレインタイヤに交換するワケいかんですから。最初は静かなタイヤ、静かな室内に満足してても雨が降る度に怖い思いします。それでもアナタは「新車装着タイヤ=ベストのタイヤ」説を信じますか?
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